なぜ日経平均は急騰したか? 答えは30年負けなしの外国人投資家の敗北
5/26日経平均は21194円(前日比+452円)の大幅上昇で前場の取引を終えています。
それだけでなく、最近は日経平均が強く上昇しています。
そして、今後もしばらく上昇が続くとみているので、今日は日経平均急騰の裏で起きていることをまとめます。
まず第一に、買っているのはだれか?
それは日銀です。
日銀は、2020年3月4週~5月第2週までに2兆円買越しており、唯一の買い主体となっています。
※ニュースモーニングサテライト(2020/05/26)より引用
JPXが発表している投資主体別の売買で見ても信託銀行(=日銀)の買いが目立っていることがわかります。
※JPXデータを基にmaster_k編集(東証1部2部の週ごとの売買額。現物のみ)
一方で、売っているのは誰でしょうか?
それは外国人投資家です。モーサテのグラフでも、私のまとめたグラフでも、外国人が大幅に売り越していることが分かります。
これは極めて珍しいことで、下記トウシルの記事によると、過去30年間、日本株は外国人が買えば上がり、外国人が売れば下がることが続いてきたとのことです。現在は外国人が売っているにも関わらず、株価が上がっているのです。
ところで、外国人投資家はここまで売り続けられるほど、現物株を大量に持っていません。
当たり前ですよね。
だからこそ、先物売り中心に空売りしているのです(前述のモーサテのデータでは先物5.2兆円、現物3.7兆円)。
その大量の先物売りを誰が引き受けるか?
売っている外国人がいれば買っている人もいる、というのがポイントです。
その答えが国内の証券、金融機関です。
しかし、先物を買うだけでは、リスクがあります。そのリスクを回避するために裁定取引を行っているのです。
※裁定取引についてはこちらの記事も参照。
直近の日本株は裁定売り残高が異常に膨らんでいます。日経新聞にも、「5/11に東証がデータの公表を始めた1991年4月以来で最高の水準となった」と取り上げられています。
そしてそれ以降も史上最高の売り残額を更新し続けています。
裁定売り残高と買い残高の推移。JPXデータからmaster_kまとめ。
縦軸左:日経平均終値
縦軸右(● ):裁定買い残高発表値
縦軸右(○ ):裁定買い残高予測値
縦軸右(● ):裁定買い残高発表値
縦軸右(○ ):裁定買い残高予測値
裁定売りとは、「現物株式の売り」と「先物買い」のペアです。
外国人が先物を売り、その買いを国内証券会社、金融機関が引受ける。そのリスクを回避するために裁定取引で現物を売っているのでしょう。
裁定売り残高が異常に膨らんでいる原因がこれまで分からなかったのですが、外国人が先物を売越しまくっている事実と併せて考えれば、おそらく上記の推定が妥当と思います。
しかし、外国人にとって誤算がありました。
日本銀行が買い続けたため、外国人投資家の思惑が外れて、日経平均が騰がり続けたのです。
ニュースモーニングサテライト(5/26)によると、外国人投資家の先物売りの平均単価は20402円です。
※ニュースモーニングサテライトより
これが、何を意味するでしょうか?
日経平均はすでに21000円を超えています。
「損切り」ですよ。
外国人投資家は日経平均をショートしたにも関わらず、日銀の強力な買いにより、株価が騰がったのです。
これまで過去30年間で起こりえなかったことが起きた!
いま一番慌てているのは外国人でしょう。
ショートしていた日経先物を買い戻せば、さきほどの裁定取引も解消されるはずです。
そうすると、現物買いが進む。
そうしたらどうなるか?そうですね、現物の株が騰がります。
そして、外国人投資家は手痛いダメージを受けるでしょう。
本当にこんなことが起こるのか?それはここ数週間で分かるでしょう。
もし、私が考えていることが正しければ、現物株価の上昇と裁定売り残高の解消が同時に起こるはずです。
楽しみですね。
異常な裁定売りの量と日経平均の不自然すぎる動き、これらがずっとひっかかっていたのですが、ようやく起きていることが分かった気がします。
あなたもよーく、見てみて下さい。下図の黒線。これは日経平均の終値をプロットしたものです。イエローのマーカーで囲ったところ、違和感がありませんか??まるでだれかが計ったかのように一定のレンジで騰がってませんか?
誰が日経を買ってるんでしたっけ...日銀でしたよね。日銀が勘や運で動きますか?動かないですよね。おそらく複雑な数式で動いているハズです。チャートにその痕跡が残っているように、私には見えます。あなたにはどう見えますか??