裁定買い残から株価暴落の"底"を予想する方法
こんにちは、master_kです。
今回の内容ははてなブックマーク推薦です。
長期投資家の私は、暴落時に株を買うことを基本方針としています。
今回は、暴落の底を読むための指標として"裁定買い残"を紹介します。
過去のデータからは、裁定買い残が少なくなってくると、暴落の底になることが多いですよ。
私はこれまでこの指標を知らず、株価チャートやSNSでの反応から暴落の底を読んでいましたが、
この方法でますます取引の精度を上げられそうです。
本当、いい指標を知ったなぁ!
それでは本文へどうぞ。
目次
裁定買い残と暴落
さて、裁定買い残については後述するとして、いきなりデータです。
こちらのほむら証券さん@homurashoukenの人気tweetを見てください。
暴落時に裁定買い残額が少なくなって底を打ったタイミングと同じくして、日経平均も底を打ち、その後上昇に転じています。
ほむら証券さんの使用しているグラフは下記のトウシルの記事と思われます。トウシルの記事内にはさらに詳細な結果が記述されています。
(引用開始)
裁定買い残は、2007年以降でみると、3,000億~6,000億円まで減少すると、増加に転じていました。
リーマンショック後の安値(2009年)、ブレグジットショック後の安値(2016年)に、裁定残は3,000億~6,000億円まで減少してから底を打っています。
日経平均は、裁定買い残が減少している間、つまり外国人が先物を売っている間は下落します。ところが、裁定残が増加に転じる、つまり外国人が先物買いに転じると、上昇に転じます。
2007~2016年では、裁定買い残が3,000億~6,000億円まで減少したところで日経平均先物を買えば、タイミングよく日経平均が反発に転じ、利益を得られる可能性が高かったと言えます。
昨年12月28日時点で、裁定買い残高は、5,620億円まで減少しています。海外ヘッジファンドの空売り残高が高水準になってきたと推定されます(あくまでも推定)。短期的な「売られ過ぎ」シグナルと見ることができます。
(引用終了)
つまり、裁定買い残が少なくなると、日経平均は底を打ち、上昇に転じた(少なくとも2009年、2016年、2018年末はピタリと一致)ということです。
しかも2009年の底は、あのリーマンショックの底です。
え?こんな指標があるなんて、凄くないですか?知らなかったの私だけ?
さらに古いデータ(1991-1996年)を見てもやはり裁定買い残と日経平均の底は割と一致していることが分かります。
※こちらは正確には裁定買い残額ではなく、(裁定買い)-(裁定売り)の株数
裁定買い残ってなに?
裁定買い残って一体なんなのか、調べてみました。
●裁定取引とは
同一の価値を持つ商品(ここでは、ある株式や株式指数)の価格差が生じた際に、
①割高な方を売り
②割安なほうを買い
③その後、価格差が減った時にそれぞれの反対売買を行うことで利益を得る取引きです。
(引用開始)
裁定取引は、機関投資家などが大きな資金でサヤ抜きを狙う手法として使われるのが一般的なので、その取引が市場全体に与える影響も比較的大きく、マーケットを見るうえでは、その動向もチェックしたいところです。
(引用終了)
※以下SMBC日興証券のサイトより引用
大きな資金を動かすから株価にも影響を与えるんですね。
では、裁定買いとはなんでしょうか。
●裁定買いとは
「割高な先物を売却」すると同時に、「現物を購入」することを「裁定買い」と言います。
●裁定買い残とは
裁定買い残とは、「先物売却」、「現物購入」のポジションを組み、「まだ裁定取引を解消していない現物購入の残高」のことを指します。
裁定買い残は、裁定取引解消時に売却(すなわち現物売却)されるため、増加は将来における売り圧力の高まり、減少は売り圧力の弱まりと予想されるのです。
うーん難しい。ですが、なんとなく分かりました。ポイントは以下ですね。
・裁定取引は動かす資金が大きい(現物と先物の価格差というリスクが低いサヤ抜きで儲けるので、巨額の資金を動かしやすい)。
・裁定取引はいずれ、反対売買をしなければいけない。
・裁定取引は現物と先物の価格差によって儲けることが出来るので、現物価格が上昇しても下落しても、「先物との価格差次第で」利益を上げることができる。
裁定買い残額の調べ方
ところで、裁定買い残額っていったいどうやって調べるのでしょうか?私はすぐに調べることが出来ませんでした。
結論から言うと、ネットならJPX(日本取引所グループ)のサイトで調べることが出来ます。
トップページから
①マーケット情報
②統計情報(株式関連)
③プログラム売買・裁定取引
の順に進みます。
進んだページの”プログラム売買”をクリックしましょう。
※つい、裁定取引をクリックしたくなりますが、その気持ちをグッと堪えましょうw こちらには株数は載っていますが、金額が載っていません。
進んだページのpdfかエクセルアイコンをクリックすれば値が確認できます。
例として、pdfの場合を解説します。
上下の表があり、下表が裁定取引のものです。
下表の右側が裁定買いのポジション。
さらに買いポジションの右端、下から2行目に裁定買い残額が載っています。
例で使った2019/4/26の場合は7,559億円(755,904百万円)ですね。
ここで注意したいのが、裁定買いの値は、週に1回更新、1日分(通常金曜日の値)しか載っていないことです。
これでは判断に困るので、私は裁定買い残の値の予測値を発表しています(毎週更新)。
これはおそらく日本でココだけの情報なので、ブックマーク等をおススメします♪
また、この予測値の算出方法が知りたい方は以下を参照してください。
それでは、今回の記事は以上です。
裁定取引の仕組みは馴染みがない人には難しいと思いますので以下に参考になるサイトのリンクを貼っておきます。
M.F.Y!
●初めてでもわかりやすい用語集
●「裁定買い残」から外国人売買動向を読み解く:6,000億円割れ→売られ過ぎ?
●裁定買い残の検証と見るべきポイント
●「裁定買い残」は16年後半を想起させる、SMBC日興証券(花田浩菜)
●直近裁定買い残の値
●裁定買い残意外にも有効な指標が3つもある
※見事2018年末セリクラタイミングを的中させたよしきさんの記事
●サイトマップへ