8つのデータで検証! 日本の衰退がひどすぎる件と衰退の原因
こんにちは。master_kです。
この記事は、当サイト2番目の人気記事です。多くの方にコメントも頂いておりますので、自信を持っておススメします。
最近、様々なニュースから日本の競争力が低下している兆候が見られたので、まとめてみました。
その結果、調べれば調べるほど日本の衰退がはっきりと確認できました。
日本の競争力が低下した原因は、輸出業メインの産業構造で円高が進んだにも関わらず、製造業に固執して、現状維持・現状追求の産業構造を続けたからです。
日本の未来は総じて暗いですが、微力ながら自分の成長、そして旧来の製造業から成長産業への投資で頑張っていきたいと思います。
それでは、記事に参ります!
目次
- 各国の名目GDP(GDP総額)
- 各国の一人当たりGDP
- 各国のGDPのランキング(1997/2017年)
- 総合力、物価、家賃、品質で見る日本
- 日本企業の研究開発力
- 日本企業のブランド力
- 企業の寿命
- 大学の研究開発力
- 日本が衰退した原因
- 補足.中国の先進都市の実態
各国の名目GDP(GDP総額)
まずは、経済力の指標GDPです。GDPは1年間にそれぞれの国内で生み出された財(最終製品、サービス)の合計値です。
※日本の企業が海外で生産した分はカウントされません。
GDPデータは下記、グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイト 統計データ配信のIMFのものを使用しました。
※米ドルへの換算は年平均為替レートベース
https://www.globalnote.jp/post-1409.html
下記グラフは、2017年のGDP 1位~5位(米国~イギリス)および、アジアで日本、中国についでGDPが多い韓国、タイを加えて1990~2017年のデータをまとめたものです。
1990年から2009年までの間、日本のGDPは3100000~5400000百万ドルで世界2位をキープしていました。
しかし、2010年に、とうとう中国に抜かれて3位になりました。その後も各国GDPが伸びる中、日本だけが横ばい傾向です。
⇒GDP総額では日本の経済活動は停滞していると言えます。
各国の一人当たりGDP
続いて国民一人あたりのGDPです。データは先ほどと同じ、グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイト 統計データ配信のものを使用しました。
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8870&post_no=1339
※比較する国は、さきほどのGDP総額比較をしたものを選びました。
1997年まで、日本の一人当たりGDPは、これらの国の中で1位です。また、世界では4位でした。
1998年以降、一人当たりGDPが、日本だけほとんど増加しませんでした。2013年にはとうとう、これらの国の中で4位に転落します。
世界ではなんと25位です。
⇒一人当たりGDPでも日本の経済活動は停滞していると言えます(人口減の影響を除いても、他国より著しく結果が悪い)。
各国のGDPのランキング(1997/2017年)
お次は、1997年から20年の間にランキングがどのように入れ替わったか、伸び率がどれくらいか、表にまとめてみました。
まずはGDP総額です。
順位 | 2017年 | 1997年 | |||
国名 | GDP比 | GDP(mUS$) | 国名 | GDP(mUS$) | |
1 | 米国 | 2.3 | 19390600 | 米国 | 8608525 |
2 | 中国 | 12.4 | 12014610 | 日本 | 4414735 |
3 | 日本 | 1.1 | 4872135 | ドイツ | 2221402 |
4 | ドイツ | 1.7 | 3684816 | イギリス | 1552809 |
5 | イギリス | 1.7 | 2624529 | フランス | 1462388 |
6 | インド | 6.2 | 2611012 | イタリア | 1240398 |
7 | フランス | 1.8 | 2583560 | 中国 | 965338 |
8 | ブラジル | 2.3 | 2054969 | ブラジル | 884308 |
9 | イタリア | 1.6 | 1937894 | カナダ | 652818 |
10 | カナダ | 2.5 | 1652412 | スペイン | 587920 |
※GDP比は1997年から2017年までに何倍になったかを計算しています。
これを見ると、日本は1997年2位、2017年3位で、順位はほとんど変わっていません。
しかしながら、伸び率を見ると、わずか1.1倍となっており、他の国と比較して圧倒的に伸びが悪いことが分かります。
米国に負けているのはともかくとして、他の先進国であるドイツ、イギリス、フランス、イタリアと比較してもかなり悪い数字です。
今度は、一人当たりGDPです。
順位 | 2017年 | 1997年 | |||
国名 | GDP比 | GDP(US$) | 国名 | GDP(US$) | |
1 | ルクセンブルク | 2.4 | 105803 | ルクセンブルク | 44382 |
2 | スイス | 2.0 | 80591 | スイス | 40469 |
3 | マカオ | - | 77451 | ノルウェー | 36561 |
4 | ノルウェー | 2.0 | 74941 | 日本 | 35035 |
5 | アイルランド | 3.1 | 70638 | デンマーク | 32898 |
6 | アイスランド | 2.5 | 70332 | 米国 | 31554 |
7 | カタール | 2.8 | 60804 | スウェーデン | 29893 |
8 | 米国 | 1.9 | 59501 | アラブ首長国連邦 | 29523 |
9 | シンガポール | 2.2 | 57713 | アイスランド | 27715 |
10 | デンマーク | 1.7 | 56444 | ドイツ | 27253 |
… | |||||
25 | 日本 | 1.1 | 38440 | イスラエル | 19700 |
これを見ると、日本は1997年の4位から、一気に25位に転落しています(先ほども触れましたが重要なので2度言いました)。
これだけ順位が落ちているのですから、当然、伸び率も悪いです。他の国が1.7~3.1倍に伸びる中、1.1倍です。
うーん・・・いつの間に日本はこんなに落ちぶれてしまったのでしょうか。
さらに悪いことに、日本国内ではこの事実に気付き、騒ぎ、問題意識を持っている人が少ない気がする、ということです。
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●日本の生産性は先進国最低!そのデータと理由を調査。
総合力、物価、家賃、品質で見る日本
GDPの比較の次に、総合力、物価、家賃、品質で日本の位置付けを見てみましょう。
日本にいると、「日本は世界一流」と思い込んでしまいますが、世界からは引き離されていっています。
●総合力
IMD(※)という機関が世界競争力年鑑(World Competitiveness Yearbook)を作成しています。
※International Institute for Management Development)
その結果、2018年の日本の競争力は総合25位でした。
※IMDウェブサイトより引用
世界競争力年鑑では、下記の4項目の順位から総合順位を算出しています。日本は経済力とインフラの評価が高かった一方、ビジネス効率性と政府効率性の評価が悪く、思わしくない結果でした。
・経済力(国内外経済、国際投資)・・・15位
・インフラ(インフラおよび教育、環境)・・・15位
・ビジネス効率性(生産性、労働市場)・・・36位
・政府効率性(財政、政策)・・・41位
世界第三の経済大国であることを考えれば、経済力とインフラの15位も評価が低いのですが。
また、IMDの総合順位は1992年まで日本が1位でした。しかし、2000年までの間に急落下しました。これを見るだけで切なくなりますね。
IMDの詳しい内容、日本の弱点や取組むべき課題は以下の三菱総研のサイトに詳しく紹介されています(とても参考になります)。
●物価
次は物価です。
物価や家賃が高いと言うことは、それだけ経済が発達しているということです(もちろんそれだけではないですが)。
1位、2位はイギリスの海外領土である島になっています。
3位以降はアメリカとスイスが並んでいますね。
順位 | 都市 | 国 | 指数 |
1 | ハミルトン | バミューダ諸島 | 298 |
2 | グランドケイマン | ケイマン諸島 | 255 |
3 | マウンテンビュー | 米国カリフォルニア | 254 |
4 | パロアルト | 米国カリフォルニア | 249 |
5 | サンフランシスコ | 米国カリフォルニア | 243 |
6 | ニューヨーク | 米国 | 240 |
7 | チューリッヒ | スイス | 237 |
8 | ジュネーブ | スイス | 236 |
9 | ロンドン | イギリス | 227 |
10 | 香港 | 香港 | 226 |
… | |||
17 | 東京 | 日本 | 205 |
Cost of Living Index 2018(算出方法不詳)
東京は17位です。物価が高いイメージがありますが、アメリカやスイスと比べると安いんですね。
●家賃
次に家賃です。
東京はすごく高い!イメージがありますが・・・
順位 | 都市 | 指数 |
1 | 香港 | 40.3 |
2 | サンフランシスコ | 39.5 |
3 | ニューヨーク | 30.8 |
4 | パリ | 26.8 |
5 | ロンドン | 26.0 |
6 | チューリッヒ | 25.2 |
7 | ボストン | 23.3 |
8 | シドニー | 22.2 |
9 | ダブリン | 22.1 |
10 | シンガポール | 21.3 |
… | ||
15 | 東京 | 18.7 |
Mapping the World's Prices(2018 Deutsch Bank )
※2LDKの家賃。1ドル108円として日本円に換算
なんと世界では15位。サンフランシスコやニューヨークと比べればかなり安い結果です。
ちなみにmaster_kの友人はアメリカのシリコンバレーに住んでいましたが、家賃は50万円を超えていると言っていました。
この地域のエンジニアの大卒初任給は日本円で1500万円以上(全企業ではなく一部人気企業でしょうが)らしいです。日本とはかなり差が生まれていますね。
●品質のイメージ
次は品質のイメージです。
ドイツ Statistaが国の品質イメージについて、以下調査を行っています。
あなたは"Made in …"とラベルされた製品についてどのように感じますか?
5段階評価で回答し、上位の2段階の評価(やや肯定的と非常に肯定的)と回答した回答者の割合を集計した。
日本は世界で何番目くらいでしょうか?
私の予想は2番でした(1位はイタリアかフランスかなー・・・と)。
結果は・・・
なんと8位です。
イギリスやカナダより下位とは・・・かなり予想外ではないですか?
これはあくまでイメージ調査ですが、「私たちが思っているほど、日本は高く評価されてはいない」ということでしょうか。
日本企業の研究開発力
さて、ここまでは日本という国の経済についてまとめてきました。
次は、企業の研究開発力です。
※企業の収益力をまとめてもいいのですが、これは世界の景気の影響を大きく受け、今は外需を中心にとても好調なので、敢えて取り上げていません。これをまとめて日本もまだまだ捨てたものじゃない、という印象を与えるだけで、フェアではないので。
企業の研究開発力は、2018年7月26日の日経新聞に掲載されていた記事から考えてみます。
この記事の調査方法は以下です。
・主要546社の研究開発担当役員らを対象に、電子ファイル形式でアンケートした。
・有効回答は289社(回答率52.9%)。研究開発費は前年度分を答えた247社で比較した。
・調査期間は5月30日~6月28日。
・調査・集計は日経リサーチの協力を得た。
・研究開発費の定義は財務諸表等規則の「新製品または新技術の開発・開拓のために支出した費用」。
・連結ベースで回答してもらったが、NTTグループのように親会社と連結子会社が併記されている場合は、親会社に子会社の費用を含む。
記事を以下に引用します。
(引用開始)
日本経済新聞社が実施した2018年度の「研究開発活動に関する調査」では、回答企業の43.9%が日本の科学技術力が低下していると指摘した。上がったとの見方は289社中10社にとどまった。中国やインドなど新興国の台頭が理由で、10年後の研究開発力ではインドや中国が日本を抜くと予想する。(1面参照)
現状と10年後の研究開発力を、国別に5点満点で評価してもらった。現状について、インドは平均3.0、中国は3.5と日本の3.8より低い。だが、10年後にはインドは3.8、中国は4.3で日本の3.7を上回った。業界別でみると自動車・自動車部品では、中国が日本や米国を上回り、欧州に次ぐ実力になるという結果だった。
日本の科学技術力の低下を指摘しているのはITや機械・エンジニアリング・造船、素材で多く、いずれも50%を超えた。
文部科学省科学技術・学術政策研究所によると、研究の質の高い研究論文数は2013~15年平均で日本は世界9位。10年前の4位から急落した。10年前には6位の中国が米に次ぐ2位に上昇した。論文は5~10年後の国の科学技術力を映す先行指標といわれており企業も危機感を強めている様子がうかがえる。
(引用終了)
「日本の技術力低下」43% 本社調査 10年後、中印と逆転も 2018/7/26 日本経済新聞 朝刊
はい。というわけで、あくまで予想に過ぎませんが、主要企業289社の研究担当開発役員の方々の考えでは、10年後、日本の企業の研究開発力は中国には大差で負け、インドにも惜敗する、ということです。
これは、一般人や学者の意見ではなく、企業という実践的な場所で働いている人、その中でも幹部の意見ですから、信ぴょう性が高いと言えるでしょう。
⇒日本企業の研究開発力は今後低下する。中国、インドにもやがて抜かれる。
日本企業のブランド力
次は、企業のブランド力です。
毎年、数々の団体が世界の企業のブランド力を調査しています。
今回は、2つの有名な調査団体の結果をまとめました。
まずは、アメリカの広告代理店WPPが算出している、BRANDZ(TM)のランキングです(2008年から5年ごと)。
これを見ると、上位25社のうち、日本の企業はトヨタ1社のランクインです。
それも2008年12位、2013年23位と低下し、2018年には圏外になっています。
※赤字:日本、青字:中国
順位 | 2018 | 2013 | 2008 |
1 | Apple | ||
2 | Apple | General Electric | |
3 | Amazon | IBM | Microsoft |
4 | Microsoft | McDonald’s | Coca-Cola |
5 | Tencent | Coca-Cola | China Mobile |
6 | AT&T | IBM | |
7 | Visa | Microsoft | Apple |
8 | McDonald’s | Marlboro | McDonald’s |
9 | Alibaba | Visa | Nokia |
10 | AT&T | China Mobile | Marlboro |
11 | IBM | General Electric | Vodafone |
12 | Verizon | Verizon | Toyota |
13 | Marlboro | Wells Fargo | Wal-Mart |
14 | Coca-Cola | Amazon | Bank of America |
15 | Master Card | UPS | Citi |
16 | UPS | ICBC | HP |
17 | SAP | Telekom | BMW |
18 | Wells Fargo | Walmart | ICBC |
19 | Disney | SAP | Louis Vuitton |
20 | Home Depot | Master Card | American Express |
21 | China Mobile | Tencent | Wells Fargo |
22 | ICBC | China C Bank | Cisco |
23 | Starbucks | Toyota | Disney |
24 | Xfinity | BMW | UPS |
25 | Telekom | HSBC | TESCO |
これとは対照的に、中国企業はここ10年間で上位10位に2社もランクインするようになりました。すごい!
お次は、Brand Finace(R)という英国の2018年のランキングです。
こちらを見ると日本は上位25位に2社ランクインしています。
一方で、中国は7社もランクイン、韓国は4位にサムスンが入っており、やはり日本より勢いがあることが分かります。
※赤字:日本、青字:中国。2013年以前はデータなかったので2018年分のみ記載。
順位 | 2018 |
1 | Amazon |
2 | Apple |
3 | |
4 | Samsung |
5 | |
6 | AT&T |
7 | Microsoft |
8 | Verizon |
9 | Walmart |
10 | ICBC |
11 | China C Bank |
12 | Alibaba |
13 | China Mobile |
14 | Wells Fargo |
15 | Mercedes-Benz |
16 | Toyota |
17 | BMW |
18 | Bank of China |
19 | State Grid |
20 | NTT |
21 | Tencent |
22 | Telekom |
23 | Shell |
24 | Chase |
25 | Huawei |
うーん、ブランド力でも陰りが見えている。なんだか、この調査自体が嫌になってきました。
企業の寿命
今度は毛色を変えて、上場企業の寿命です。これまでは競争力の低下について語ってきましたが、ここでは原因について考えてみたいと思います。
日本は長寿企業が多い、と言われています。
googleで検索しても、データそのものは見つかりませんでしたが、下記の記事がありました。以下、引用します。
(引用開始)世界で創業200年以上の企業は5,586社(合計41カ国)あり、このうち半分以上の3,146社が日本に集中しており、続いてドイツ837社、オランダ222社、フランス196社の順となっている。
(引用終了)
AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議 創業100年超の「長寿企業」2万6000社。帝国データバンクが最新調査結果を発表
世界の56%(3146社/5586社)もの企業が日本に集中する、というのは大変誇らしいことです。素晴らしい企業がたくさんある、ということでしょう。
確かに、一部の企業は大変なブランド力、優位性を持っていて、他の競合に勝ち続けているのでしょう。
しかしながら、考えてみると、56%という数字には、「違和感」を感じます。
日本の上場企業の平均寿命は約30年と言う記事もありました。
いったいどう考えればよいのでしょうか?
そのヒントは長寿企業が多い理由に隠されていると、私は思います。
いろんな記事を読むと、日本の企業は「儲けを優先しない、他者の利益を考える」、「本業から安易に他の事業に乗り換えない」ゆえに寿命が長いということが書かれています。
つまり・・・「本業を優先し、他の成長分野への投資、挑戦を避けているため、寿命が伸びる」、しかしながら、そのせいで「企業や社会全体が大きく成長することなく、停滞してしまっている」というのが日本の実態ではないでしょうか。
私は、日本のように長寿企業が多いことが悪いとか、他の国のようにどんどん儲けに走って、本業をないがしろにしてもいい、ということを言いたいわけではありません。
日本のやり方にも一長一短があり、今はその"短"の部分で苦労しているのではないか、と言いたいのです。
日本が、旧来の製造業にいまだに経済的に依存しているあたりからも、このように考えてしまうのです。
大学の研究開発力
これまでに、国の経済規模、企業の研究開発力・ブランド力を見てきました。
最後に大学の研究開発力を見てみましょう。
なお、データはQS世界大学ランキングという日本で最も認知されている大学ランキングを使用しました。
QSとは、イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社(Quacquarelli Symonds :QS)」のことです。評価は、各国学者のレビュー(40%)、雇用者の評価(10%)、学生一人あたり教員比率(20%)、教員一人あたり論文引用数(20%)などから判定されいます。
QS World University Rankings 2018 | Top Universities
https://www.topuniversities.com/university-rankings/asian-university-rankings/2018
THE–QS World University Rankings, 2008 - Wikipedia
データ元:上2018年(世界ランク)、中2018年(アジアランク)、下2008年(世界ランク)
さて、日本で最も研究開発力がある大学は東京大学ですが、世界ではどれくらいのランクか御存知でしょうか?
その順位はなんと、28位です(2018年)。思ったより評価されていないですね。
世界ランク | 大学名 | 国 |
1 | オックスフォード大学 | イギリス |
2 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
3 | カリフォルニア工科大学 | アメリカ合衆国 |
3 | スタンフォード大学 | アメリカ合衆国 |
5 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ合衆国 |
6 | ハーバード大学 | アメリカ合衆国 |
7 | プリンストン大学 | アメリカ合衆国 |
8 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | イギリス |
9 | シカゴ大学 | アメリカ合衆国 |
10 | チューリッヒ工科大学 | スイス |
10 | ペンシルベニア大学 | アメリカ合衆国 |
... | ||
28 | 東京大学 | 日本 |
それでは、アジアではどうでしょうか?さすがにトップ5くらいには入っていてほしいところです。
その順位は・・・なんと13位です。
はい。アジアでの評価もかなーり低いですね。
では、10年前の2008年までアジアランクを遡ってみましょう。
順位 | 2018年 | 2008年 | ||
大学名 | 国 | 大学名 | 国 | |
1 | 南洋理工大学 | シンガポール | 東京大学 | 日本 |
2 | シンガポール国立大学 | シンガポール | 京都大学 | 日本 |
3 | 香港科技大学 | 香港 | 香港大学 | 香港 |
4 | KAIST | 韓国 | シンガポール国立大学 | シンガポール |
5 | 香港大学 | 香港 | 香港科技大学 | 香港 |
6 | 清華大学 | 中国 | 香港中文大学 | 香港 |
7 | 復旦大学 | 中国 | 大阪大学 | 日本 |
8 | 香港城市大学 | 香港 | 北京大学 | 中国 |
9 | 北京大学 | 中国 | ソウル大学 | 韓国 |
10 | 香港中文大学 | 香港 | 清華大学 | 中国 |
11 | ソウル大学 | 韓国 | 東京工業大学 | 日本 |
12 | 浦項工科大学 | 韓国 | 南洋理工大学 | シンガポール |
13 | 東京大学 | 日本 | KAIST | 韓国 |
14 | 東京工業大学 | 日本 | 東北大学 | 日本 |
15 | 大阪大学 | 日本 | 復旦大学 | 中国 |
その結果・・・東京大学はアジア1位(世界では19位)、続いて京都大学、大阪大学が10位までにランクインしています。
この10年間で日本の大学の評価は他のアジア諸国の大学に追い越され、地に落ちています。
そして、日本の研究開発力、という意味では、単に大学の評価が低いだけではありません。
数年前、富士フイルム株式会社の元フェロー(技術役員)の宮本さんという方の講演会に行く機会がありました。
そこで、宮本さんが語ったのは、「1982年に宮本さんが米国留学した際は、日本人がたくさんいたが、2007年に米国の3大学を訪問した際に、大学の研究室の所属名簿にアジア人は多いが、日本人の名前が一人もなかった。」という事実です。
その3大学と生徒の所属の内訳は以下だそうです。
クレムリン大学:在籍学生の半分はアジア人。アジア人のうちほとんどは中国人。
サウスカロライナ大学:クレムリン大学と状況同じ。
ミネソタ大学:在籍学生のうち半分は中国人と、韓国人。
また、これらの大学の研究者からは、アジア人の留学生の能力は高く評価されていた。とのことでした。
日本の大学の評価は下がり、海外の大学で学ぶ日本人留学生の数も減っている・・・やはり、日本の研究レベルは世界からどんどん取り残されている気がします。
・・・うーん、やっぱりまとめるのが嫌になってきた。
日本が衰退した原因
さて、これまで日本が衰退している事実を紹介してきました。
ここでは、日本が衰退した原因を書きます。
いろんなサイトを見てみると、①円高進行による製造業への打撃、海外シフト、②少子、高齢化による働き手の不在、③規制や抵抗勢力による停滞などを原因としていることが多いようです。
「日本+衰退」google検索1位(2018.11.2)
www.mag2.com2019年以前にも経済停滞しており、その原因は少子高齢化の影響としています(注 master_k要約)。
⇒他の先進国も少子高齢化であるにも関わらず、GDP総額や一人当たりGDPは伸びていることから考えて、これは誤りと考えられます(2019年以降の急激な衰退については少子高齢化が影響するかもしれないです)。
「日本+衰退」google検索6位(2018.11.2)
www.1242.com1995年~2016年の21年間で日本の人口は1%増えているにも関わらず、世界のGDPに占める日本のシェアは17.5%⇒6.5%に低下(約3分の1に落ちている)と指摘(注 master_k要約)。
⇒やはり少子高齢化による影響ではないことが分かります。
日本衰退のきっかけは、1985年9月の「プラザ合意」だと思ってる。プラザ合意は「日本を円高にして、袋叩きにしよう」という合意だった。1ドル=240円だった相場が、合意の2年後には1ドル=120円の円高になった。これは日本の輸出製品に100%の関税をかけるのと同じ。このため、日本の海外生産比率は急上昇した(1985年 3%⇒ 2016年 23.8% 注 master_k要約)。
⇒はい、おそらく日本国内の製造業が衰退したのはこれが原因でしょう。
森永さんは素晴らしい慧眼の持主です。ただし、プラザ合意のような急激な円高がなかったとしても、日本の発展とともに円高には繋がったはずです。そしてこれは十分予測出来ることです。
「日本+衰退」google検索7位(2018.11.2)
経済成長を本物にするには、製造業やサービス業(本当に成長と言えるような産業)への投資が必要。実際はそれらがない。その理由は規制が多すぎるからである。規制が多いのは、日本社会が、大企業等の既得権益の保護(というより役員やら労働者やらが会社組織を食い物にして逃げ切ること)を主眼とする社会だから(注 master_k要約)。
⇒素晴らしい考察ですね。別に製造業でもいいんです。旧来の大型な設備が必要な産業(資本、労働集約型)にすがりついて、海外に工場作っているようではダメだということです。
規制が多く、新しい産業、サービスが産まれないというのも同意です。だから、日本は長寿企業が多いんですよ。本記事末に紹介する、中国深センの様子を見ると分かります。日本はなんてチャレンジしない国なんだって・・・
さて、これらの素晴らしいサイトの記事や、いろんな情報を総合的に考えた、私の意見は下記です(上記サイトの意見と似ています。寄せ集めと言っても良いかもしれません)。
日本衰退の真の原因は、「円高による製造業の海外シフトが起こったにも関わらず、新たな成長産業(ITを代表とするハイテク産業、サービス業)にシフトさせなかった政府、経済界の失策」です。
本当は、自動車や機械産業から、ITを代表とするハイテク産業やソフト産業、サービス業にシフトすべきだった。でも、出来なかった。
なぜなら、政治を支えている経済・産業界の主力は旧来の製造業の経営者だから。
代数 | 歴代会長 | 所属企業 | 在任期間 |
初代 | 奥田碩 | トヨタ自動車 | 2002年5月~2006年5月 |
2代 | 御手洗冨士夫 | キヤノン | 2006年5月~2010年5月 |
3代 | 米倉弘昌 | 住友化学 | 2010年5月~2014年6月 |
4代 | 榊原定征 | 東レ | 2014年6月〜2018年5月 |
5代 | 中西宏明 | 日立製作所 | 2018年5月〜 |
おそらくは、自分たちと同じような産業を守りたかったか、他の産業を発展させることを考え抜かなかったのです。アメリカは日本に製造業で完敗した後、見事にサービス業、ハイテク産業にシフトしたんですけどね・・・
まぁ、私のように後づけならなんとでも言えますが。
というわけで、私は旧来の産業への投資を徐々にやめ、新しい産業に投資をシフトしています。
微力ながら応援です。
補足.中国の先進都市の実態
さて、今度はかなり飛び地なので補足にしました。
これは少し前にネットニュースで見かけて、とても驚いたので紹介しておきます。
自分の感覚では、日本が衰退してきているとは言え、まだまだ中国・韓国にはかなり優位性があるだろう、と思っていたのですが、
このニュースを見るとそんな考えが吹っ飛びました。
百聞は一見に如かず、というやつですね。
うーん。これは、日本とは比べ物にならないくらい先を行っている間がありますね。
いかがでしたでしょうか?
最後にまとめです。
・経済規模の大きさや、一人あたりのGDPでは日本は他の先進国と比較してほとんど伸びていない。
・企業のブランド力は既に低下し始めており、今後研究開発力は中国やインドに追い抜かれると予想される。
・大学の研究開発力はアジア1位だった東大が、2018年にはアジア13位と急降下。世界でも19位から46位まで低下しており、世界でのプレゼンスをなくしつつある。
・日本衰退の原因は、「円高による製造業の海外シフトが起こったにも関わらず、新たな成長産業にシフトさせなかった政府、経済界の失策」と考える。
このような日本の凋落を嘆いてしょうがないので、私は自分自身の成長(出来るのかはともかくとして・・・)、そして旧来の製造業から成長産業への投資で微力ながら頑張っていきたいと思います。
さて、それでは今回はこのへんで。
M.F.Y
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