貸株はお得? ほとんどの銘柄はやめた方がよい理由
こんにちは。master_kです。
あなたは貸株サービス(※)を使っていますか?
※証券会社に株を貸出し、金利を受け取るサービス
私はこれまで、すべての株式を貸株にしていました。
今回検証したところ、 貸株はリスクに見合っておらず、基本的にやるべきでないと考えましたので、その内容を紹介します。
また、 「リスクを抑えつつ、貸株はやりたい」という方におススメの方法も紹介しています♪
それでは本文にどうぞ。
目次
貸株ってなに?
貸株とはあなたが証券会社に保有する株式を貸出して、金利を得るサービスです。
monex証券websiteより引用
株は機関に貸し出されます。その用途は機関の自由ですが、主に信用売り(空売り)に使用されます。
金利は、証券会社各社が自由に設定しますが、基本は年利0.1%です。
タイミングによっては特定の銘柄にボーナス金利(~年利15%)を設定していることもあります。
monex証券websiteより引用(2019.8.12現在のボーナス金利の高い順)
金利が高い理由は、「需要がある(供給が追い付いていていない)」ということですから、要するに空売りをしたいのに、株が不足している銘柄ということです。
ボーナス金利銘柄は、需給の厳しそうな小型株ばっかりですよね?
貸株のリスクは?
これまでの紹介を見ると、「売買しない株を貸出すだけで金利がもらえるなんてラッキー!」と思う人もいるかもしれませんが、貸株にはリスクがあります。
(まぁ、貸株に限らず、世の中モノを貸すことにはリスクが付き物です)
リスクは主に2点です。
・貸株中に証券会社が倒産した場合、投資者保護基金による保護対象にはなりません(担保のない債権者になる)。
・継続保有株主でなくなる可能性がある(長期保有の株主優待を受けられなくなるかも)
前者は、通常の株式が投資者保護基金による保護対象になる(証券会社以外があなたの株式を管理している)のに対して、株を貸した場合は、保護基金の対象ではなくなるということです。
後者の補足説明です。株を貸すと名義が変更になるので、株主優待が取得できなくなります。このため、証券会社は、「株主優待の権利確定日の前後だけ、あなたの名義に戻す」というサービスを備えています。
しかしながら、株主優待の権利確定日と継続保有の株主名義確認日が異なる場合、継続保有株主でなくなってしまいます。
以上のリスクをしっかり理解した上で、貸株サービスを受けることがポイントです。
貸株量はどのくらい?
それでは、貸株量は実際にどのくらいもらえるのしょうか。計算してみましょう。
私の場合は、日本の個別株式を約630万円分保有しています。
これらの株式をすべて貸出すと、貸株量は年間16,403円です(私が利用しているmonex証券の場合)。
銘柄名 | 貸株金利 | 評価額 | 貸株量 |
トレードワークス | 5.0% | 115,300 | 5,765 |
広栄化学工業 | 1.0% | 162,200 | 1,622 |
オークマ | 1.0% | 49,900 | 499 |
本州化学工業 | 0.5% | 113,700 | 569 |
科研製薬 | 0.5% | 144,450 | 722 |
荒川化学工業 | 0.5% | 268,400 | 1,342 |
ダイビル | 0.5% | 99,100 | 496 |
タケエイ | 0.1% | 194,200 | 194 |
ZOZO | 0.1% | 313,050 | 313 |
クラレ | 0.1% | 246,000 | 246 |
旭化成 | 0.1% | 93,470 | 93 |
パピレス | 0.1% | 82,000 | 82 |
ポールトゥウィン・PH | 0.1% | 222,400 | 222 |
オークファン | 0.1% | 82,400 | 82 |
マクロミル | 0.1% | 100,100 | 100 |
ビーグリー | 0.1% | 268,800 | 269 |
関東電化工業 | 0.1% | 249,200 | 249 |
三菱ケミカルH | 0.1% | 217,830 | 218 |
エーザイ | 0.1% | 220,160 | 220 |
小野薬品工業 | 0.1% | 200,150 | 200 |
東計電算 | 0.1% | 90,450 | 90 |
東映アニメーション | 0.1% | 344,625 | 345 |
JXTG | 0.1% | 136,620 | 137 |
TOTO | 0.1% | 19,950 | 20 |
LIXILグループ | 0.1% | 53,340 | 53 |
エンバイオH | 0.1% | 92,200 | 92 |
小田原エンジニアリング | 0.1% | 199,700 | 200 |
テセック | 0.1% | 96,900 | 97 |
東芝 | 0.1% | 63,900 | 64 |
ライトアップ | 0.1% | 160,000 | 160 |
日本電産 | 0.1% | 85,704 | 86 |
日産自動車 | 0.1% | 67,570 | 68 |
東京精密 | 0.1% | 336,000 | 336 |
キヤノン | 0.1% | 43,005 | 43 |
三井物産 | 0.1% | 166,200 | 166 |
住友商事 | 0.1% | 231,225 | 231 |
スルガ銀行 | 0.1% | 36,500 | 37 |
NTTドコモ | 0.1% | 263,550 | 264 |
東京電力H | 0.1% | 103,000 | 103 |
北海道電力 | 0.1% | 107,600 | 108 |
ソフトバンクグループ | 0.1% | 200,560 | 201 |
合計 | - | 6,341,409 | 16,403 |
※貸株金利は年利。貸株量は年間の値。
年間16,000円というと、リスクを取る割にリターンが少ない気もしますね。まぁ、証券会社が破綻するリスクがどれくらいか、と言われると判断が難しいところですが。
下記を自問自答してみれば、良いのではないでしょうか?
「世の中に株式を保護するサービスがないと仮定する。だが、年間16,000円払えば、630万円の株式を全額保護できる保険がある。その保険に入りたいと思うか?」
私なら 証券会社破綻して630万円無くなるのはイヤなので、16,000円喜んで払います。なので、貸株は基本的にやらない方がよいと考えています。
あなたの答えはどうでしたか?
「そんな保険いらない!」、「証券会社そんな簡単に破綻しない」という人もいるでしょう。
そう考える人は、貸株サービスをやればよいのです。
リスクは抑えて貸株量を得る方法
それでは最後に・・・ 貸株金利は欲しいけど、リスクは怖いという方におススメの方法を紹介します。
これは、「貸株はまったくやらない」、「全株貸出す」という二元論ではなく、「リスクは抑えつつ、しっかり貸株金利を得る」という方法です。
さきほどの630万円分の株式すべてを貸出した場合と、ボーナス金利対象銘柄(0.5%以上)を貸出した場合を比較してみます。
どうでしょうか?
貸株金利の大半(数字にすると67%です)が、ボーナス金利銘柄だということが分かると思います。
次に、これらの貸株金利の原資(評価額)も考えてみましょう。
下図を見ると、ボーナス金利銘柄は評価額95万円に対して貸株金利1.1万円、非ボーナス銘柄は評価額539万円に対して、貸株金利0.5万円です。
もうお分かりでしょうか?
要するに、ボーナス金利銘柄だけ貸出せば良いのです。
これなら毎年1.1万円の金利が得られる上、万一証券会社が倒産しても、失う金額は最大で95万円です。
これと比較すれば、 毎年0.5万円の金利のために539万円の株式をリスクにかけるのは、割に合わない気がするのは私だけでしょうか?
いかがでしたでしょうか?
実は、私は今まですべての株式を貸出していました。
でも、これを機にボーナス銘柄だけに変えようと思います。
それでは、今回の記事は以上です。
M.F.Y!
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