裁定買い残株数と売り残株数から判断する売られ過ぎのサイン
こんにちは。master_kです。
今回は、これまでに何度も取り上げた裁定買い残高(金額)に続いて、
裁定売買残株数から判断する、「売られ過ぎのサイン」について説明します。
裁定買い残株数から裁定売り残株数を引いた値(裁定買い残株数-裁定売り残株数)は、通常プラスですが、稀にマイナスになることがあります。
この場合、過去のケースでは売られ過ぎのサインであり、その後大きく株価上昇しています。
データの残る1991年以降、4回マイナスになり、そのうち3回は14%~62%株価上昇しています。
残る1回は、2019年6月12日~6月28日現在も継続中につき、今後、株価上昇するか要確認ですね。
それでは本文です。
目次
裁定売買残株数とは
裁定売買残株数について説明します。
●裁定買いとは
「割高な先物を売却」すると同時に、「現物を購入」することを「裁定買い」と言います。そして、裁定取引は期日までに解消(先物購入、現物売却)する必要があります。
●裁定買い残高とは
裁定買い残とは、「先物売却」、「現物購入」のポジションを組み、「まだ裁定取引を解消していない現物購入の残高」のことを指します。
※詳しくは以下の記事参照
つまり、裁定買い残株数とは「いずれ現物売却が必要な株数」、裁定売り残株数とは「いずれ現物購入が必要な株数」を指します。
したがって、
(裁定買い残株数-裁定売り残株数)がプラス⇒「いずれ現物売却が進む状態」
(裁定買い残株数-裁定売り残株数)がマイナス⇒「いずれ現物購入が進む状態」
を表します。
つまり、一般的にはプラスである(裁定買い残株数-裁定売り残株数)がマイナスになった状態は「売られ過ぎ」で、「いずれ株が買われる=株価が上昇し易い」状態です。
過去のケース
それでは実際に、(裁定買い残株数-裁定売り残株数)がマイナスになった場合に、株価がどうなったか見てみましょう。
最近、三井住友DSアセットマネジメントの記事に非常に参考になる内容がまとめられています。
この記事によると、裁定売買残株数のデータが残る1991年以降、(裁定買い残株数-裁定売り残株数)がマイナスになったのは4回です。
このうち3回で株価が14~62%上昇し、
残る1回は、2019年6月12日~6月28日現在も継続中につき、今後、要確認ですね。
(三井住友アセット 市川氏のレポート 2019.6.27 より転載)
気になるのが、(裁定買い残株数-裁定売り残株数)がマイナスになった期間です。
過去3回のケースでは、最大で6営業日でしたが、今回(6/12~)のケースでは、6/28現在でもマイナスが継続しており、既に13営業日。
※先述の市川氏のレポート掲載時は9営業日だったが、さらにマイナス継続した
過去の記録を大きく更新しています。何が起きているのでしょうか??
(日経平均と裁定売買残株数 2018.10月~2019.6月 筆者まとめ)
今後の裁定売買残株数と株価の動きがまとまったら、再度記事にまとめようと思います。
日経平均が過去のケースと同じように騰がるといいですね。
今回の記事は以上です。
M.F.Y
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