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みんな大好きiPhoneが売れない! データで見るアップルの窮地と未来

 

f:id:master_k:20181114214834j:plain

 

こんにちは。master_kです。

 

今日はAppleとiPhoneの記事です。

 

突然ですが、あなたはiPhoneが好きですか?

 

私は好きです。

 

このiPhone、今やアップルの売上げの6割を占め、全世界で14兆円も売れる規格外のモンスター商品です。

 

ただ、2015年以降、売上は伸び悩み、スマホ販売のシェアは12%(2018年)と低迷しています。これはアップルにとっても予想外の結果です。

 

これまで業績が右肩上がりだったアップルは、今、窮地に陥っていると言って良いでしょう。

 

今回はそんなアップルとiPhoneの現状を入念に調査し、ニュートラルな視点で書いてみました。

 

また、アップルの未来も予想してみました。

 

2018年11月現在、アップルの株価は急落中ですが、私は買いだと判断しています。

 

f:id:master_k:20181114204223j:plain

 

それでは、本文にどうぞ。

 

 

目次

 

 

売上高、利益

まず、アップルの決算書から売上高と利益を見てみます。

 

・2017年の売上高は、229,234百万$(約22.9兆円)。
・2017年の純利益は、48,351百万$(約4.8兆円)。
・売上げの約60%がiPhone。金額では約14.1兆円にも到達するモンスター商品である。

 

年度 2017 2016 2015 2014 2013
売上高(百万$) 229,234 215,639 233,715 182,795 170,910
純利益(百万$) 48,351 45,687 53,394 39,510 37,037
純利益率(%) 21.1% 21.2% 22.8% 21.6% 21.7%
売上に占める
比率(%)
iPhone 61.6% 63.4% 66.3%
iPad 8.4% 9.6% 9.9%
Mac 11.3% 10.6% 10.9%
service 13.1% 11.3% 8.5%
others 5.6% 5.2% 4.3%

iPhone販売数量

(千台)

216756 211884 231218

APPLE2017年決算資料より。※データなし

https://s22.q4cdn.com/396847794/files/doc_financials/annual_reports/_10-K_2017_As-Filed_.pdf#page4

 

頼みの綱のiPhoneの販売数量は2015年から増えていません。アップルの売上高も純利益も伸びていません。

 

⇒アップルは今、苦境に立たされています。

 

シェア

次にiPhoneのシェアを見てみましょう。

 

・2017~2018年のシェア(販売台数ベース)は世界第3位。シェアは12%です。

メーカー 2018 3Q 2017 3Q
Samsung 21% 19%
Huawei 10% 13%
Apple 12% 12%
Oppo 8% 9%
Xiaomi 7% 9%
Vivo 7% 8%
35% 30%

Counterpoint ウェブサイトより

www.counterpointresearch.com

12%という数字は、私が想定している以上にずっと低いものです。


おそらく、これを読んでいるあなたにとっても同じではないでしょうか。

 

なお、statistaのデータでは、2009年から2018年第4四半期までのシェアが公開されています。

 

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これを見ると、欧米のメーカーはアップル以外は姿を消し、サムスンも大きくシェアを落として、中国のHUAWEI、XIAOMI、OPPOが台頭してきていることがわかります。

 

www.statista.com

 

それでは、今後どうなるのでしょうか。シェアの推移から考えてみたいと思います。

 

シェアの推移

・iPhoneの世界シェア(保有台数ベース)は徐々に低下しています。2012年には、24.5%でしたが、2018年には20.5%です。

 

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GlobalStats ウェブサイト Mobile Operating System Market  Shareデータより

gs.statcounter.com

 

・iPhoneのお膝元、アメリカではどうでしょうか。2012年から2018年まで、50%前後の高いシェアを維持しています。

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GlobalStats ウェブサイト Mobile Operating System Market  Shareデータより

・日本は特徴的です。2012年以降、徐々にシェアが上昇しています。2012年には、48.6%でしたが、2018年には67.3%です。

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GlobalStats ウェブサイト Mobile Operating System Market  Shareデータより


また、これらのデータで、iPhoneのシェア低下以外に、2つの重要な事実も分かりました。

 

①アンドロイドのシェアの伸びが凄まじい。世界では、既にアンドロイドケータイが業界のスタンダードになった(2018年、シェア76.8%)。

⇒ここまで差がついたら、この構造を覆すのは不可能ではないでしょうか?今後もこの傾向は続くと推定します。

 

②日本では、例外的にiPhoneの売れ行きが好調。
⇒ニュースなどでは聞いたことがありましたが、数字で見るとはっきり分かりますね。

 

アップル以外のスマートフォン

ここでは、他社のスマートフォンについて考えてみましょう。

 

以下に、2017~2018年のシェア順に、メーカーや平均製品販売価格、OSをまとめてみました。

 

メーカー 2018 3Q 平均売価 OS
Samsung 21% 259$ Android
Huawei 10% 265$ Android
Apple 12% 724$ iOS
Oppo 8% 275$ Color※
Xiaomi 7% 159$ MUI※
Vivo 7% 259$ Funtouch※
35% - -

※AndroidをベースにカスタマイズしたOS

THE INVERSTOR ウェブサイトより

www.theinvestor.co.kr


どうでしょうか?アップル以外は完全にアンドロイドorアンドロイドベースのOSであること、iPhoneはものすごく高い(平均販売価格が2倍以上)がよく分かると思います。

 

アップル以外のシェアが高い理由は、「価格が圧倒的に安いこと」に加えて、「相対的に(iPhoneと比較して)品質が高くなってきたこと」が原因と推定します。

 

品質について自分で比較したことはないので、微妙ではありますが・・・少なくともiPhone発売当初と比較すれば、中韓メーカーのスマートフォンの質は格段によくなっているでしょう。

 

言い換えれば、スマートフォンはすでにコモディティ(プレミアのない一般商品)化が相当進んでいる、ということです。

 

 

日本で売れる理由

さて、次は、「高価なiPhoneが日本で売れる理由」を考えてみます。

すぐに思いつく理由としては、以下の3つくらいでしょうか。

 

①日本人の所得が高いため、高価でも買う(お金がある)
②スマホ本体料金の割賦払いで本体の値段が把握し難い(お金に無頓着)
③iPhoneが好き(愛)

 

①が原因であれば、もっと所得が高い国でシェアが高い傾向があるはずです。

 

日本以外にも特異的にシェアが高い国もあるため、世界各国のi Phoneのシェアと伸び(保有台数ベース)を整理してみました。

 

調査した国と観点は以下の通りです。


所得が高い国:

世界の所得が高い国は、ヨーロッパ/北米/中東/アジアに限られます。

中東を除いて、それぞれの地域から所得が高い国をピックアップしました。

 

順位 GDP 観点
1 ルクセンブルク 105803 EU代表
2 スイス 80591 EU代表
3 マカオ 77451 アジア代表
4 ノルウェー 74941 -
5 アイルランド 70638 -
6 アイスランド 70332 -
7 カタール 60804 -
8 米国 59501 北米代表
9 シンガポール 57713 アジア代表
10 デンマーク 56444 -
11 オーストラリア 55707 -
12 スウェーデン 53218 -
13 オランダ 48346 -
14 サンマリノ 47406 -
15 オーストリア 47290 -
16 香港 46109 アジア代表
17 フィンランド 46017 -
18 カナダ 45077 北米代表
19 ドイツ 44550 EU代表
20 ベルギー 43582 -
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
25 日本 38440  


※GDP:2017年の一人当たりGDP(単位:US$)。
グローバルノート 国際統計・国別統計専門サイト 統計データ配信ウェブサイトのIMFデータより

www.globalnote.jp

 

所得が高い国以外に、比較対象として以下観点で調査する国を選びました。

 

人口が多い国:中国(13.9億人)、インド(13.4億人)

 

廉価スマホ生産国:中国、韓国

 

これからGDP伸びる国代表:インド

 

これらの国に加えて、北米/南米/アジア/ヨーロッパ/アフリカの各地域のデータも調査しました。

 

さて、その結果は、とても興味深いものでした。

 

割とキレイに4つのグループに分かれます。それぞれの特徴は、以下です。

 

分類 2018
シェア
過去3年間
シェア変化
該当国
Win 微増 日本より一人あたりGDPが高い国しかない。
金持ちグループ。香港/マカオ/日本/米等
Lose 日本より一人あたりGDPが高いドイツ、
シンガポールも含む。
Grow 今回調査では、韓国のみ。
地域としてはアフリカを含む。
Neutral 変わらず 今回調査では、インドのみ。
地域としてはアジアを含む。

 

では、具体的にグラフを見てみましょう。

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※横軸は2018年のiPhoneのシェア(保有台数ベース)、縦軸は3年間のシェアの伸び(2018年のシェアから2015年のシェアを減じた)
※マカオはシェア高すぎてグラフに入りません・・・

GlobalStats ウェブサイト Mobile Operating System Market  Shareデータから筆者まとめ

 

結果は、予想通り、一人あたりGDPが高い国でiPhoneが売れている結果でした。


また、これから所得が伸びつつある韓国やアフリカでシェアが伸びつつあるという結果でした。

 

本調査の意図とは少し外れますが、今後iPhoneが売れていくためには、以下のような戦略が考えられるでしょうか。


Win:今後もこの調子を維持。高価格帯を中心に利益を上げる。
Lose:所得が高いドイツやシンガポールではもっと売れても良いはず。これらの国でPRする。
Grow:スマホの普及率が低い国や、現時点で所得が低い国でイニシアティブをとるべく普及を優先する(廉価モデル等)。
Neutral:ここが勝負の分かれ目。インド(地域で言うとアジア)が含まれており、世界で最も人口が多く、量が確保出来る場所。

 

さて、それではもっと踏み込んで一人あたりGDPとシェアの関係をダイレクトに見てみます。

f:id:master_k:20181114211512p:plain

f:id:master_k:20181114211359p:plain

※横軸は2017年の一人あたりGDP。縦軸はiPhoneのシェア(保有台数ベース)

 GlobalStats ウェブサイト Mobile Operating System Market  Shareデータから筆者まとめ

 

緑の点線で示したものが、各国データから予想されるシェアの範囲です。

 

ということで、日本は一人あたりGDPから考えると、”人気がある”(一人あたりGDP以外の影響がある)と言えます。

 

マカオも少し”人気がある”と言って良いでしょう。


また、一人あたりGDPから考えて、明らかに売れていないのが、ルクセンブルクとシンガポールです。これらの国では”iPhoneは不人気”と言って良いでしょう。

 

逆に言えば、プロモーション次第でもっと売れると言えます(前述の通り)。

 

※なお、これらの元データは記事の末尾に公開しています。

 

さて、ここまでの調査で、「日本でiPhoneが売れる理由は、所得だけで説明できない」ことが分かりました。

 

と、なると売れる理由は以下のどちらかでしょう。

 

・スマホ本体料金の割賦払いで本体の値段が把握し難い(お金に無頓着)
・iPhoneが好き(愛)

 

というわけで、次は、調査数が相当限定されるヒアリング調査です。

 

私の周辺の人間に手当たり次第聞いてみました。

iPhone購入理由 今後も
iPhoneを使うか
使用機種 年齢
特になし 分からない iPhone5 35
特になし 分からない iPhone5S 35
中韓メーカースマホを避けた 分からない iPhone5S 36
mac使用で統一したい 分からない iPhone7 34
iPhone部材のサプライヤだから 使う iPhone7 42
iPhone部材のサプライヤだから 分からない iPhoneX 37
デザイン 使う iPhoneXR 41
iTuneデータ利用したい 使う iPhoneXS 42

 

数が少ない上に年齢も偏っているので、完全に参考データですが、iPhone購入理由は「特にない」、「デザイン」、「macやiTune利用のメリット」などであることが分かります。

 

逆に言えば、「好きだから」という理由は、「デザイン」と答えた1名しかしない、ということです。

 

なお、2名ほど「iPhone部材のサプライヤーだから」と答えた人間がいますが・・・これは無視します(ちょっと、聞く相手を間違えましたね)。

 

と、いうわけでこの調査数で決める気もないですが、日本でiPhoneが売れる理由、それは下記のどちらか、または両方と判断します。

 

・スマホ本体料金の割賦払いで本体の値段が把握し難い(お金に無頓着)
・iPhoneが好き(愛)・・・ではなく、「なんとなく(売れているモノが売れる現象)」や、普及したmacやiTuneの利便性

※スマホ料金の影響は、検証する方法がないので・・・なんとも言えません。

 


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iPhoneが売れないのは誤算

以上のように、アップルの売上高やシェア、日本で好まれる理由を見てきました。

 

ここでは、アップルが現状をどう捉えているか、アップルおよびアップルへのサプライヤーへのヒアリング、ニュースから分析してみました。


・サプライヤー

 

某部材供給メーカー:

アップルにiPhone X用部材を供給するメーカーの友人にヒアリングをしてみました。

その結果、「アップルは、iPhoneに使用する部材の数量見込みを事前に連絡するが、その見込み量よりも大幅に少ない受注量となっている」とのこと。

 

サムスン:

サムスンは、アップルに有機ELディスプレイを唯一供給するメーカーです。
※これが日本のメーカーでないあたりに、日本の衰退を感じますね。

www.shameless1.com

そんなサムスンのニュースが日経新聞に報じられています。

 

(引用開始)
サムスンは2018年度、1億数千万枚ものパネルを供給する(自社用だけでなくiPhoneXも含む)予定であったが、想定外に有機ELパネルが売れず、7千万枚に大幅下方修正した。
(引用終了)

※(日経新聞 2018/11/7より引用 電子版は見つかりませんでした) 

 

これは、先述のiPhone Xの販売不調の影響も多分にあると考えられます。

 

ホンハイとルメンタム(米レーザーセンサーメーカー):

 

アップルのiPhone最新モデル向けの部品を製造するホンハイとルメンタムのニュースがロイターに報じられています。

(引用開始)
12日の米株急落は、アイフォーン最新モデル向けの部品を製造する米レーザーセンサーメーカーのルメンタム(LITE.O)が、大口顧客から供給の大幅削減を要請されたとして業績見通しを下方修正したことが大きな材料として意識された。顧客名は明らかにされなかったが、市場はアップルだと「断定」。影響を懸念する売りが広がった。

アイフォーンの販売不振は、全く新しい材料というわけではない。日本経済新聞は5日、スマートフォンの生産を委託している鴻海(ホンハイ)精密工業(フォックスコン)(2317.TW)と和碩聯合科技(ペガトロン)(4938.TW)に対し、アップルが10月に発売した「アイフォーンXR」の生産ライン増設計画を中止するよう要請したと報道。関連株も売られていた。

(引用終了)

jp.reuters.com

「大口顧客について、市場はアップルと断定した」とロイターは報じています。また、最新モデルとは、恐らく有機ELモデルのiPhone Xのことでしょう。

 

アップル:

アップルに勤める友人にヒアリングしたところ、「iPhone Xはアップルの想定よりも売れていない」とのことです。

 

また、先ほどの日経新聞の記事によると、

 

(引用開始)
アップルは価格戦略を軌道修正している。10月に発売した新機種「iPhoneXR 」はデザインや顔認証機能こそ昨年発売した「X」を踏襲しているものの、ディスプレーは液晶に戻した。
 有機ELは液晶より黒色の再現力や形状の自由度が高い半面、価格は液晶の2倍近いとされる。有機EL搭載のスマホが10万円を上回るのに対し、8万4800円という価格設定で値ごろ感を打ち出す。
(引用終了)

※(日経新聞 2018/11/7より引用 電子版は見つかりませんでした)


と書かれています。


以上のように、アップルは有機ELのiPhone Xがもっと売れると考えていたようです。

 

しかし、実際には売れず、各社の部品供給量を大幅に削減。有機ELモデルを当初予定から変更して液晶モデルにしています。

 

アップルが、「有機ELモデルは、顧客にとって高すぎて売れない」と判断したということでしょう。

 

5G戦略でも出遅れるiPhone

 

2019/3/3の日経新聞のニュースです。

 

これによると、アップルは5G携帯の戦略についてコメントできないまま。

 

その原因は、世界で2社しか供給出来ない(もう一社はHUAWEI)5G用半導体を供給している米クアルコムと係争中であり、半導体を供給してもらえないためとのことです。

 

アップルは卓越したコンセプトとデザイン、ユーザーインターフェースを持つiPhoneで世界を席巻しましたが、

 

生産設備も技術も持たないので、半導体、カメラ、ディスプレイ、何一つ自社で生産することが出来ません。つまり部材を独占供給するサプライヤーと揉めたらiPhoneは作れません。これがアップルの抱える脆弱さです。

 

話題の有機ELディスプレイも100%サムスンから供給を受けています。

 

このため、今、各社(ROYOL/サムスン/Huawei)で盛り上がっているフォルダブルスマホ(詳細は次章参照)も、発表すら出来ていない状態です。おそらく5Gも含めてコンセプトはあるのでしょうが・・・

 

現在、iPhoneはフォルダブルに代表される先進性を失っただけですが、間もなく性能、デザインでも各社に追いつかれてその競争力を失う可能性が高いと思います。

 

また、卓越したコンセプトがあっても、部材供給を他社に頼っているため(サムスンなどスマホのライバル会社も多い)、戦略な部材(例えばフォルダブル有機ELディスプレイ)はアップルには供給されないでしょう。

 

以下2019/3/3の日経新聞より引用。

www.nikkei.com

(引用開始)

5G戦略、アップル沈黙、特許紛争、半導体調達に影響、中韓勢の先行許す。

 

 米アップルが次世代の高速通信規格「5G」戦略について沈黙を保っている。韓国サムスン電子や中国・華為技術(ファーウェイ)が2019年内に対応製品の発売を表明する中、1日に開かれたアップルの株主総会でも具体的な戦略は示されなかった。産業構造を変える技術革新を促すとされる5Gへの出遅れは、株主の不安を不信に変えかねない。

(中略)

 1日に米カリフォルニア州クパチーノの本社で開かれたアップルの株主総会でも、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の口から5G戦略が語られることはなかっ た。今後の商品計画についての質問には「多くのことに取り組んでいるが、話すことはできない」と述べるにとどめた。
 アップルが5G端末を公表できないのは、特許紛争で関係が悪化した米クアルコムから5G対応半導体の供給を受けることができないからだ。アップルはクアルコムの特許使用料の設定が不当に高いとして17年1月に同社を提訴。以来、両社は世界各地で知的財産権の侵害などを理由とする訴訟合戦に突入している。
 19年内の発売が表明された5Gスマホは、ほとんどにクアルコムの半導体が採用されている。同社に全面的に頼らない形で5Gスマホを開発するのは傘下に半導体メーカーを持つファーウェイだけだ。代替調達先のインテルは開発が遅れており、業界内では「20年まではアップルは5G端末を出せないだろう」との観測が大勢を占める。

(中略)

 ハードに収益を依存するアップルはこうした5G時代の応用力に乏しい。クラウド事業に力を入れるグーグルは、スマホだけでなくIoTも想定したアンドロイドの開発を急ぐなど「スマホ後」の時代を見据えて手を打っている。スマホがパソコンを侵食したように、5Gの時代はスマホも安泰ではいられない。

(中略)
かつては厳格な秘密主義が技術革新への期待をかき立てていたアップルだが、その神通力は色あせつつある。

 

 

今後

 

それでは、これまでの調査からアップルが今後どうなっていくかを予想してみたいと思います。

 

スマートフォン:

今一度、調査結果を振り返ってみます。

・アップルが思っていたほど、高価格モデルは売れなかった。
⇒このため、既に一部のモデルの品質を下げ(有機ELから液晶に戻す)、価格を下げている。

 

・市場シェアは徐々に低下し続けているものの、積極的な挽回作は実施していない。そして、市場のスタンダードはすでにアンドロイドに奪われてしまった。
⇒シェアよりも、高品質/高価格路線で利益を上げる方針と考えられる。

 

というわけで、今後はシェアを落としつつ、高品質/高価格モデルで利益を上げていく(スマホ界のメルセデス・ベンツ化)戦略と考えられる。


サービス:

スマートフォンのスタンダードになれなかったものの、ブランド化には成功して大きな利益を上げています。

 

今後もスマートフォンは売上台数や売上高はあえて伸ばさず、ブランド化で勝負すると考えられるため、次の収益源確保に必死になるでしょう。

 

このため、これまでに得た収益を元にアプリや音楽配信、ソリューションなどのビジネスを拡大すると予想します。
(これは、今に限らず、昔から検討していると思います。ただし、数字で見るとあまり成果が上がっていません)

 

スマートフォン以外の製品:

おそらく、これが最もアップルのやりたい事でしょう。

それは、iPhoneに次ぐ、破壊的イノベーションを起こす製品の開発です。

アップル創業から40年間のヒット製品を見てみます。

 

商品 発売年 内容 技術面
AppleⅡ 1977 初めてのパーソナルコンピューター  
Macintosh 1984 GUI(※)、マウスを備えたパソコン パロアルト研究所の
アイデア盗用
iMac 1998 特徴的なスケルトンデザインで
世界的ヒット
技術的に優れた点は
USBくらい
iPod 2001 SONYのウォークマンを駆逐。
音楽のデジタル化を加速
大容量
HDDドライブ採用
iPhone 2007    

※創業者のスティーブ・ジョブズ亡き今、この傾向があるかは不明ですが・・・

 

・40年間で大ヒットした商品はたった5つ。
・技術的に優れた作品は、AppleⅡ以来ほとんどない。
※他社が実現できないような技術はあまり見られない(私の不勉強の可能性もあるので、間違えていたら教えてください)。
・デザインや、操作性(直感的に使える)など、アイデアや独創性、コンセプトに優れた製品が多い。


ということが分かります。

 

また、これまでの大ヒットは3年~14年に1回であり、iPhoneから既に11年が経過していることも分かります。

 

と、いうわけで・・・・個人的に、「アップルは、今後5年以内に世界を変える製品」を送り出してくると考えています。

 

私の予測では、次世代のスマートフォン(フォルダブル、ローラブル※)を先行して開発し、スマートフォン/タブレット/ノートPCの垣根をなくし、電話/本/ノート/ノートPCの機能を持ち合わせた次世代端末を狙っていると思っていました。

※フォルダブル:折り畳み可能、ローラブル:巻き取り可能、下図参照。ケータイとして使用する場合は、小さく畳んで使用し、タブレットやノートPCとして使用する場合は、広げて使うなどを想定。下図参照。

 

f:id:master_k:20181116203728p:plain

www.bunsekik.com

 

しかしながら、フォルダブルディスプレイは、サムスンが一足先に開発しそうです。というわけで私の予想は外れました。

 

(引用開始)
(スマホ)世界最大手の韓国サムスン電子は7日、画面を2つに折り畳める有機ELパネルを米国で発表した。広げると7・3インチのタブレット、折り畳むと4・6インチのスマホとして使える端末を2019年に発売する見通しだ。世界で普及が一巡し成熟化したスマホ市場の起爆剤にしたい考えだ。
 折り畳み可能なスマホは「フォルダブル」と呼ばれ、次世代スマホの本命の一つとされる。
(中略)
 サムスン米国法人のジャスティン・デニソン氏は7日の開発者向け会議で「数十万回の折り畳みに耐えられる」有機ELパネルを搭載した試作機を初めて公開した。表裏両面に表示部があり、折り畳んだときは外側を使う。内側の折り目の部分に縁がないのが特徴だ。
 広げたときは最大で3つのアプリを同時に使え るという。画面の一部はディスプレー、残る部分はタッチパネル方式のキーボードとして使えばビジネスでの利用場面が増えそうだ。

(引用終了)

www.nikkei.com

 

※2019年1月13日追記。実際に折りたたみスマホを世界で初めて販売したのは中国のRoyoleというメーカーでした。これは、スマホ業界ではサプライズです。

●とうとう販売!折りたためるスマホがもたらす価値

www.shameless1.com

 

最後に・・・

 

現在アップルの株価は急落しています。頼みの綱のiPhoneは販売台数が伸び悩んでいること、iPhoneに次ぐヒットはすぐには生まれなさそうなことから、短期的にはこのままズルズル株価が下がっていくと思います。

 

しかし、アップルの製品開発のパターンや、これまでに蓄えた膨大な資金を考えれば、早晩、有望な新製品を生み出すものと予想します。

(希望的観測かもしれませんが)

 

というわけで、アップルの株価がもう少し下がってくれば絶好の”買い場”はないでしょうか。

 

今回は、以上で終了です。

 

M.F.Y

補足.データ

最後に、今回紹介したデータの数値を出しておきます。

 

iPhone
シェア
Android
シェア
2015 2018 2015 2018
マカオ 50.9 77.0 26.1 48.1 22.5 -25.7
日本 66.7 67.3 0.7 32.7 32.2 -0.5
スイス 60.8 63.9 3.1 36.4 35.5 -0.9
カナダ 54.4 53.9 -0.5 41.1 45.3 4.2
アメリカ 51.2 53.1 2.0 46.4 46.5 0.1
香港 32.7 51.6 19.0 66.1 47.9 -18.2
北アメリカ 46.9 48.6 1.7 49.6 50.9 1.3
ルクセンブルグ 51.9 48.2 -3.7 45.5 51.1 5.6
韓国 21.5 28.4 6.9 78.3 71.5 -6.8
ドイツ 29.3 26.6 -2.7 66.8 72.1 5.2
EU 28.5 24.8 -3.7 63.2 73.7 10.4
シンガポール 39.6 22.6 -17.0 58.3 74.3 16.0
中国 25.3 21.3 -4.0 73.3 77.1 3.8
アジア 11.5 13.1 1.6 69.8 83.8 14.0
南アメリカ 11.1 9.7 -1.4 77.8 87.5 9.7
アフリカ 3.2 7.3 4.2 64.3 80.4 16.2
インド 1.7 3.1 1.4 64.3 92.2 27.9

 

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